前回の「脚質は競走馬の戦法」で脚質から見ることのできるものとして「展開」を挙げました。
今回はその「展開」について話を進めて行きたいと思いますが、
その前に「脚質は競走馬の戦法」の項で質問の多かった「仕掛けどころ」について説明いたします。
仕掛けどころとは、ゴール前から数えて残り3ハロンの地点、600m標識あたりの地点(正確には660m)のことで、三分三厘とも言われます。
コースによって違いはありますが、大体3コーナー~4コーナー付近になり、そこから勝負に出る=加速する=仕掛けるというのが一般的な解釈です。
しかし、実際は全馬がそうするわけではなく、脚質のところで書いたように直線に入るまで仕掛けを我慢する場合や、仕掛けどころより前に仕掛け始める場合もあります。
基本的には「600mあたりから仕掛け始める」のだと考えてもらって構いません、また「レースが動く」という表現が使われるのもほとんどの場合はその地点ですので、「レースの展開に動きが出る地点」と覚えてもらっても構わないと思います。
競馬の場合の展開とは、スタートしてから各馬の動向によって形成される出走全馬のポジションの移り変わりを言います。競馬場やテレビでレースを見ながら、時にはラジオの音声を聞きつつ展開を把握する場合、形成された馬群に対して頭数や距離感を加味し、 逃げ - 先行 - 差し - 追い込み の脚質に合わせて各馬を割り振ります。
基本的には4分割ですが、馬群の形成のされ方で2分割の場合も5分割の場合もあります。
また、新聞上で確認する場合、馬柱内の付け位置(ポジション取り)がそれに当たります。実際のレースに対して「脚質は競走馬の戦法」で書いた名称を割り当てて例を挙げていきます。
まず最初に逃げ馬の頭数、「逃げ馬なし」「1頭」「2頭以上」この3通りに分別できます。この3分割から馬群にあわせて更に分類します。
・逃げ馬なしの場合
【先行集団 - 後方集団】
芝、ダート問わず短距離戦で見られる展開です。
実際はハナを切って走っている馬はいるのですが、1馬身も満たない状態で走っている場合がこれに当たります。
先行集団と後方集団の間はほとんどありません。そのため「一団」「だんご状態」などと称されます。
距離が短いとスピードで押し切れる場合が多くなるので、このような展開になることが多いです。
【先行集団 - 中団 - 後方】
これといった逃げ馬がおらず出走馬の大半が「先行」と「差し」で構成された場合の短距離戦~マイル戦、またはダートの短距離戦で見られるレース展開です。先行集団、中団 - 後方の間はほとんどありませんが、先行集団より中団以降に馬が集まり、2~3頭程度が中団より後ろに控える形になります。この場合「一団」というには少し長めのレース展開となります。
・逃げ馬が1頭いる場合
【単騎逃げ- 先行集団 - 後方集団】
1頭の逃げ馬がハナを切り一団を率いる展開で、出走馬の大半が「先行」と「差し」で構成され場合の短距離戦でよく見られるレース展開で、先行集団と後方集団の間はほとんどありませんが、単騎逃げと先行集団の間は1馬身以上開いている場合の展開です。脚質表示で逃げ馬が2頭以上いた場合は先行集団に控えた形になります。
「だんご状態」に変わりはありませんが、逃げ馬次第でペースが違います。
【単騎逃げ- 先行集団 - 中団 - 後方】
【単騎逃げ- 先行集団 - 好位グループ - 中団後方 - 後方】
マイル戦以降に見られるレース展開の中で多いうちのひとつです。
単騎で逃げた馬が1~2馬身程度ペースを落ち着けた場合、以降の集団もそのペースに合わせます。
単騎逃げ- 先行集団 - 好位グループ - 中団後方 - 後方のほうが、5つに分割する分展開的には縦長になります。
どちら共に、中団に馬群の中心が出来る形になりますが、レースの中心は先行馬が握ることが多くなります。
【単騎逃げ- 先行集団 - 中団 - 後方集団】
マイル戦以降に見られるレース展開のひとつですが、先行馬が上の例より減り「差し」「追い込み」の多い構成のときに見られる展開です。単騎逃げ- 先行集団 - 好位グループ - 中団後方 - 後方集団と比べると馬群自体は「好位グループ」の後方に出来やすいのですが、レースの中心は先行集団ではなく好位グループが握ることが多いです。
・逃げ馬が2頭以上いる場合
【逃げ馬2頭 - 先行集団 - 後方集団】
【単騎逃げ - 単独2番手 - 先行集団 - 後方集団】
逃げ馬2頭 - 先行集団 - 後方集団の形は、短距離戦でもたまにある展開ですが、マイル戦から中距離にかけて多くなる展開です。競り合って2頭だけ先々行ってしまったり、片方が途中で控えたりと前2頭に関しては様々になりますが、後続はほぼ一団で来る展開です。たいていの場合はバテて最後まで足は残っていないのですが、小回りコースの芝1800~2000mやダート1800mの場合だと逃げた2頭に足が溜まることも少なくありません。逃げた2頭でレースが決着したりすると「行った行った」等と言います。
【逃げ馬2頭 - 先行集団 - 中団 - 後方】
【単騎逃げ - 単独2番手 - 先行集団 - 中団 - 後方】
マイル戦~中長距離のレースやダート戦の大半でよく見られる展開です。
中団に多めで、それ以外の付け位置の適度にばらけ理想的な展開になることが多いです。単騎逃げ- 先行集団 - 中団 - 後方よりは縦長の展開となるでしょう。
この展開が一番目にすることが多い展開だと思います。
レースにおいては走りやすく、展開予想においては思案しやすい展開だと思います。
【先頭集団 - 第二グループ- 中団 -後方】
【先頭集団 - 第二グループ - 好位グループ - 中団後方 -後方】
中・長距離(2200m~3200m)で見られるようになる展開の一つで、挙げた例の中では、一番縦長のレース展開になります。スピード決着のレースではまずなることはなく、落ち着いたレースのときになることがほとんどです。「淀みない」という言葉もこの展開の時によく聞かれます。
「先頭集団」というのは3頭以上の逃げ馬・先行馬で「先行集団」より前で馬群を形成されたときに称されることが多かった言葉です。フルゲートの頭数が以前より少なくなった最近では、使われることが減りはしましたが、未だに展開としては形成されます。ここでは「先頭集団」という言葉を使いたいと思います。
「先頭集団」に続く「先行集団」はそう称されずに「第2グループ」と言われることが多かったです。
理由は、発音が似ているので分かりやすくするために「第2グループ」と表現したということを聞き憶えています。
長々と説明しましたが、レースを数見て行けば、上に書いた展開のどれかにほとんどは当てはまると思いますが全てではありませんので、各パターンをキッチリと覚える必要はありません。
レース展開は距離や出走馬によって千差万別であるということが分かれば良いと思います。
多くのレースを見て少しずつ理解を深めてください。
この展開に密接に関係してくるのはレースのペースです。
今週も書いた量が多いので、ペースに関しては次回以降に持ち越します。
(毎度長い説明ですみません^^;)
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今回はその「展開」について話を進めて行きたいと思いますが、
その前に「脚質は競走馬の戦法」の項で質問の多かった「仕掛けどころ」について説明いたします。
仕掛けどころとは、ゴール前から数えて残り3ハロンの地点、600m標識あたりの地点(正確には660m)のことで、三分三厘とも言われます。
コースによって違いはありますが、大体3コーナー~4コーナー付近になり、そこから勝負に出る=加速する=仕掛けるというのが一般的な解釈です。
しかし、実際は全馬がそうするわけではなく、脚質のところで書いたように直線に入るまで仕掛けを我慢する場合や、仕掛けどころより前に仕掛け始める場合もあります。
基本的には「600mあたりから仕掛け始める」のだと考えてもらって構いません、また「レースが動く」という表現が使われるのもほとんどの場合はその地点ですので、「レースの展開に動きが出る地点」と覚えてもらっても構わないと思います。
競馬の場合の展開とは、スタートしてから各馬の動向によって形成される出走全馬のポジションの移り変わりを言います。競馬場やテレビでレースを見ながら、時にはラジオの音声を聞きつつ展開を把握する場合、形成された馬群に対して頭数や距離感を加味し、 逃げ - 先行 - 差し - 追い込み の脚質に合わせて各馬を割り振ります。
基本的には4分割ですが、馬群の形成のされ方で2分割の場合も5分割の場合もあります。
また、新聞上で確認する場合、馬柱内の付け位置(ポジション取り)がそれに当たります。実際のレースに対して「脚質は競走馬の戦法」で書いた名称を割り当てて例を挙げていきます。
まず最初に逃げ馬の頭数、「逃げ馬なし」「1頭」「2頭以上」この3通りに分別できます。この3分割から馬群にあわせて更に分類します。
・逃げ馬なしの場合
【先行集団 - 後方集団】
芝、ダート問わず短距離戦で見られる展開です。
実際はハナを切って走っている馬はいるのですが、1馬身も満たない状態で走っている場合がこれに当たります。
先行集団と後方集団の間はほとんどありません。そのため「一団」「だんご状態」などと称されます。
距離が短いとスピードで押し切れる場合が多くなるので、このような展開になることが多いです。
【先行集団 - 中団 - 後方】
これといった逃げ馬がおらず出走馬の大半が「先行」と「差し」で構成された場合の短距離戦~マイル戦、またはダートの短距離戦で見られるレース展開です。先行集団、中団 - 後方の間はほとんどありませんが、先行集団より中団以降に馬が集まり、2~3頭程度が中団より後ろに控える形になります。この場合「一団」というには少し長めのレース展開となります。
・逃げ馬が1頭いる場合
【単騎逃げ- 先行集団 - 後方集団】
1頭の逃げ馬がハナを切り一団を率いる展開で、出走馬の大半が「先行」と「差し」で構成され場合の短距離戦でよく見られるレース展開で、先行集団と後方集団の間はほとんどありませんが、単騎逃げと先行集団の間は1馬身以上開いている場合の展開です。脚質表示で逃げ馬が2頭以上いた場合は先行集団に控えた形になります。
「だんご状態」に変わりはありませんが、逃げ馬次第でペースが違います。
【単騎逃げ- 先行集団 - 中団 - 後方】
【単騎逃げ- 先行集団 - 好位グループ - 中団後方 - 後方】
マイル戦以降に見られるレース展開の中で多いうちのひとつです。
単騎で逃げた馬が1~2馬身程度ペースを落ち着けた場合、以降の集団もそのペースに合わせます。
単騎逃げ- 先行集団 - 好位グループ - 中団後方 - 後方のほうが、5つに分割する分展開的には縦長になります。
どちら共に、中団に馬群の中心が出来る形になりますが、レースの中心は先行馬が握ることが多くなります。
【単騎逃げ- 先行集団 - 中団 - 後方集団】
マイル戦以降に見られるレース展開のひとつですが、先行馬が上の例より減り「差し」「追い込み」の多い構成のときに見られる展開です。単騎逃げ- 先行集団 - 好位グループ - 中団後方 - 後方集団と比べると馬群自体は「好位グループ」の後方に出来やすいのですが、レースの中心は先行集団ではなく好位グループが握ることが多いです。
・逃げ馬が2頭以上いる場合
【逃げ馬2頭 - 先行集団 - 後方集団】
【単騎逃げ - 単独2番手 - 先行集団 - 後方集団】
逃げ馬2頭 - 先行集団 - 後方集団の形は、短距離戦でもたまにある展開ですが、マイル戦から中距離にかけて多くなる展開です。競り合って2頭だけ先々行ってしまったり、片方が途中で控えたりと前2頭に関しては様々になりますが、後続はほぼ一団で来る展開です。たいていの場合はバテて最後まで足は残っていないのですが、小回りコースの芝1800~2000mやダート1800mの場合だと逃げた2頭に足が溜まることも少なくありません。逃げた2頭でレースが決着したりすると「行った行った」等と言います。
【逃げ馬2頭 - 先行集団 - 中団 - 後方】
【単騎逃げ - 単独2番手 - 先行集団 - 中団 - 後方】
マイル戦~中長距離のレースやダート戦の大半でよく見られる展開です。
中団に多めで、それ以外の付け位置の適度にばらけ理想的な展開になることが多いです。単騎逃げ- 先行集団 - 中団 - 後方よりは縦長の展開となるでしょう。
この展開が一番目にすることが多い展開だと思います。
レースにおいては走りやすく、展開予想においては思案しやすい展開だと思います。
【先頭集団 - 第二グループ- 中団 -後方】
【先頭集団 - 第二グループ - 好位グループ - 中団後方 -後方】
中・長距離(2200m~3200m)で見られるようになる展開の一つで、挙げた例の中では、一番縦長のレース展開になります。スピード決着のレースではまずなることはなく、落ち着いたレースのときになることがほとんどです。「淀みない」という言葉もこの展開の時によく聞かれます。
「先頭集団」というのは3頭以上の逃げ馬・先行馬で「先行集団」より前で馬群を形成されたときに称されることが多かった言葉です。フルゲートの頭数が以前より少なくなった最近では、使われることが減りはしましたが、未だに展開としては形成されます。ここでは「先頭集団」という言葉を使いたいと思います。
「先頭集団」に続く「先行集団」はそう称されずに「第2グループ」と言われることが多かったです。
理由は、発音が似ているので分かりやすくするために「第2グループ」と表現したということを聞き憶えています。
長々と説明しましたが、レースを数見て行けば、上に書いた展開のどれかにほとんどは当てはまると思いますが全てではありませんので、各パターンをキッチリと覚える必要はありません。
レース展開は距離や出走馬によって千差万別であるということが分かれば良いと思います。
多くのレースを見て少しずつ理解を深めてください。
この展開に密接に関係してくるのはレースのペースです。
今週も書いた量が多いので、ペースに関しては次回以降に持ち越します。
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